Valkyrien Allstars “To måner”

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ノルウェーのトラッドグループの2ndアルバム。

きちんとフィドルのスイング感は残しつつ、ロックの風合いを感じる演奏は引き続き健在。

詩をモチーフにした本作は、どこか少年の弾き語りのようなTuvaさんのヴォーカルと、ショーあるいはミュージカル曲を思わせるメロディーラインがユニーク。

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Yat-Kha “Re-Covers”

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トゥバのフォーク・ロックバンドYat-Khaの2005年作。タイトル通りのカバーアルバム。

ただし、全て驚愕のトゥバ式倍音唱法アレンジである。

地の底から這い上がってくるようなAlbert Kuvezinの声と、割に正統派な演奏を埋めるように、時々トゥバの民族楽器が顔を覗かせる。それだけなのに、大変なインパクトがある。

薄汚れた質感のジャケットや古いポスターのようなアートワークも凝りまくりで、カバー曲それぞれにAlbertさんのコメントもついている。東西冷戦末期のソ連、しかも僻地に生まれ育った少年が聴いた、遥か彼方の音楽に対する思い入れがうかがえる。

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Valravn “Koder på snor”

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エレクトロニックなバンドの2nd、2009年作。

Björkっぽいパワフルで呪術的なヴォーカル(フェロー諸島出身)が前面に出ており、曲調は内向的に、あるいは攻撃的にと曲によって極端に豹変する。そこここにトラッドっぽい響きがあるのが良い。

その1曲のみのトラッド“Kelling”だが、フェロー諸島の曲だそうで、正にキラーチューン。ライヴで演奏したら相当盛り上がるはず。

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Alamaailman Vasarat “Huuro Kolkko”

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フィンランドのけったいなバンドAlamaailman Vasaratの2009年作。

諧謔的な特色はそのままに、音楽的にはレベルアップ。チェロにチューバックスが加わった重低音は磨きがかかり、櫛によるチェロ演奏など様々な音色にトライしている。

本作は、これらの技術をバックボーンにして、バリエーション豊かな曲調とメロディーによって冒険家フーロ・コルッコ(実在?架空??)を描くコンセプトアルバムである。神秘的に、軽快に、ドキドキハラハラの冒険譚を音楽で活写する楽しい作品。

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Blue Asia “Sketches of Myahk”

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沖縄は宮古島の伝承歌を現代的な手法でリマスター&ミクスチャーしたアルバム。“Myahk”(ミャーク)は“宮古”の意。

電子音と三線の奏でる心地よいリズムと、古老たちと少年の唄が絶品である。神と通じる古謡が陽気な諧謔をちりばめ、天災や人災を乗り越えてきた歴史をポップに語り出すようである。

個人的には今年の五指に入るアルバム。

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